2005年12月15日、三菱地所執行役員(当時)の柴垣譲氏と新日石不動産常務取締役の関隆夫氏が

連名で、世田谷区長に対して次のような書面を送りました。

『松原六丁目マンション計画/認定取得理由書』 (抜粋)

下記の理由により、建築基準法第55条第2項の認定を取得できます様、お願い申し上げます。

・自然保護

計画敷地内に既存高木・中木が有りますが、一般設計より大きな建物セットバックを行い

建築面積を圧縮するため、敷地内の12本は、現状のまま保全が可能となります

また、一般設計に比し、沿道部の緑地を豊かにします。

つまり、「敷地内の木を12本残しますから高さ制限緩和の認定をください」という意味です。

事業主の各責任者が区長宛に送ったことからも、この書類が正式な申し入れ書だということが

わかります。しかし、肝心の設計図は添付されていませんでした。

そして、この2週間後、世田谷区は高さ制限緩和の認定を下ろしました。

ところが、現在の建設現場に樹木は残っていません。

工事着工前に、全ての木がなぎ倒され、運び出されたのです。

建築審査会での審議の場において周辺住民側がこれを指摘したところ、

施工業者の間組は、12本のうち2本は別の場所に移植して「保全」してあるものの、

10本は保全不可能だったと認めました。

この2本(ケヤキとサクラ)については、今までに提示された植栽図には組み込まれていません。

また、失った10本分の樹木は新たに増やすと言っています。

設計図を見ればわかる通り、わずかな建物周囲部分にこれ以上の緑地を増やすことは

実質不可能です。(主に隣地との間の土部分の深さは30センチ、幅50センチ弱)

また、「大きな建物セットバックを行うことにより、樹木が保全可能」と述べていますが

セットバックした後に大規模ドライエリアを設けることにより、緑地化できる面積は

むしろ減っており、設計当初から樹木が保全できないことは明らかです。

また、「現状のまま保全」とは、通常、木が根を張り育っている現在の状態を指しますが、

ドライエリアを掘るためにはそれは不可能です。

「パークハウス世田谷松原」の完成予想図にケヤキとサクラの絵がないことからも

事業主が元々この約束を守るつもりがなかったことが窺えます

建築基準法第55条2項(高さ制限緩和)を認定する世田谷区の審査要項のひとつに

「周囲の環境を害する恐れがないこと」がありますが、この書面を受け取った世田谷区は

事業主の樹木保存の約束を、審査の際に大いに参考にしたと思われます。

このようにあたかも世田谷区を騙すようにして取得した「高さ制限緩和認定」のおかげで

このマンション計画は成り立っているのです。

※この文書は、世田谷区に情報公開請求をすればどなたでも閲覧できます。

  

↑別の場所で保全されている“はず”のケヤキとサクラ

工事終了後、全く同じ木が移植されているかどうかは写真と見比べればすぐにわかることです。

一流企業の三菱地所と新日石不動産の役員が

 世田谷区との約束に反して環境を破壊し、営利追求のためのマンションを

建設するという姿勢で恥ずかしくないのでしょうか。

「倫理上好ましくなくても、やってしまえば何とかなる」と考えてはいませんか?

 

【追記】

 この件に関して、当会より世田谷区長に対して質問状を送っております。

回答が来次第、このページにて公開する予定です。